みなさんの病院はサーベイやってますか?
「企業サーベイ」「グループサーベイ」「県ごとのサーベイ」「日臨技サーベイ」「医師会サーベイ」
こう並べてみると、たくさんサーベイってありますね。
ここでサーベイの説明をひとつ。
目次
― サーベイって何? -
①検分、調査 ② 測量、実地踏査。(コトバンクより)
https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%99%E3%82%A4-507023
だってさ。
つまり、臨床検査技師の世界の場合は、
仮の検体や写真、動画、波形を使用し、
各病院の精度管理がたもたれているかどうか
をみています。
検体検査であれば、精度管理に問題がないかどうかを
生理機能検査であれば、自分の病院の知識が保たれているかどうか
突然審査されます。
要は、病院宛のテストです。
嫌ですね。
「日々の実力を出せれば問題ない。」
といわれても、なかなか緊張するのがテストであり、サーベイです。
― サーベイの方法 -
サーベイには種類があります。わたしが経験したサーベイは
検体検査と生理機能検査です。
自施設では、わたしは関わったことはありませんが、他に細菌も行っています。
〇 検体検査サーベイ
検体検査のサーベイは、検体の代わりとなる「資料」が届きます。
いつものルーチン業務の一環で測定するとはいえ、すべてが採血管でくるわけではありません。
そして、資料を指定された方法で溶かしたりしなければいけません。
また、普段、検体をバーコード管理している場合なら、バーコードを使わない測定方法で測定しなければなりません。
● 検体検査サーベイ注意点
・事前にサーベイが届く日程を確認し、現在の自分の病院の精度管理が問題なく保たれているか確認しておく。
精度管理が保たれているかどうかをみます。つまり、精度管理が保たれていない状態でトライしても、失敗します。
日々、確認しているかと思いますが、機械ですから劣化もしてきます。
そろそろランプ交換が必要か、セル交換が必要か、電極交換必要か、
大きなメンテナンスをしたあとだと、少し不安定なこともあるかと思います。
自施設の精度管理や機械の癖は、確認しておきましょう。
・資料が届いたら、当日測定のものか、後日測定でも構わないのか確認しておく
当日すべてやっていたら、確実に業務過多で残業になります。
普段より、余計な業務をしているわけですから。
しかし、すべてを後回しにしていいわけではありません。
血球系は「当日、すぐの測定」
乾燥系は「数日中」が多いです。
・資料の溶解方法、溶解に必要な道具を確認しておく。
溶解しはじめたのに、「あー。あの道具が足りない!!」そうなると、普段の業務をしながらですので、非常に慌てます。
滅菌されている道具たちは揃ってますか?
ピペットのチップは足りてますか?
・資料の溶解を始める前に全体の所要時間を確認しておく
溶解時間が「1時間」なんてことも。
「さぁ、少し業務が落ち着いたから取り組もう。」
そう思ってから、準備→溶解(1時間)→測定→結果確認
はい。残業。
・資料量と機械のデッドボリュームの確認
資料はたくさん提供されるわけではなく、最低限の量になっていることが多いです。
そのため、機械の設定などによっては、「量が足りなくて、吸ってくれない。」
なんてことも。
サンプルカップに資料を入れてはかることも多いと思います。
各機械の設定とデッドボリュームの確認は大事です。
検体を吸いに機械がいってしまって、
「足りません!!!!!!!」
のエラーが鳴り響いてからでは遅いです。
・測定前に各測定項目の確認
参加している測定項目は各施設によって違いますし、普段メインで測定しているもの以外にも、
あまり業務で利用しない項目もサーベイでは参加しているかもしれません。
後日項目が足りなかった!と気づいた時には、資料の状態が変化している可能性がありますし、そもそも破棄していたり、足りない可能性も。
測定するときにダブルチェックなどして、項目の確認はしっかりしておきましょう。
・各項目の試薬残量の確認
普段は、試薬が切れるとアラームが鳴って、再測定するだけですが、
サーベイ資料測定中に試薬切れると焦ります。
再測定の設定も普段とは違う方法になるでしょうから、モタつきます。
その間にも資料は性状が変化していきます。
サーベイ測定前には試薬残量も確認しておきましょう。
・結果の確認方法の確認
普段、電子カルテを使用している方であれば、検査結果が電子カルテに飛ぶシステムを利用している方が多いのではないでしょうか。
つまり、結果を見る方法を電子カルテでしかしらない方がいるかもしれません。
必ずそれ以外の方法がありますが、普段使用していないため、忘れてしまっているかもしれません。
せっかく測定した結果の確認ができず、帰宅して、後日先輩に聞くのも不安だと思います。
事前に、電子カルテ以外での「マニュアルでの結果確認方法」を確認しておきましょう。
〇 生理機能(フォト)サーベイ
生理機能系や、フォトサーベイがあります。
基本的に資料等はなく、写真や動画、仮の患者検査データから結果を考えるものになります。
そのため、写真や動画が提供され、それを使用しサーベイを進めていきます。
生理機能検査の進め方
生理機能やフォトサーベイのいいところは、
みんなで、できるところ
です。
担当している業務の人たちの知識が問題ないかどうかを確認する、いい機会になります。
社会人になると、なかなか経験が少なくなる確認試験
それがサーベイを利用して各職員に実施することができます。
私の病院では、全員実施します。
知識の共有と、確認を行います。
日々、同じように過ごしている中で
「サーベイ」という刺激が与えられることで、
一度は全員国家試験を合格した身、新しい知識や考え方、気づきには情報共有したがります。
新卒の教育にも使えます。
もし、担当している人しか実施していないのであれば、ぜひ全員が取り組む方法に変えてみてはいかがでしょうか。
― 結果も確認 -
サーベイを提出すると、しばらくしたら結果が返ってきます。
これがまた、忘れた頃に返ってくるんです。
ただ、A評価やB評価で返ってきます。
その結果だけをみて一喜一憂して終わりではなく、きちんと次につなげましょう。
〇 検体検査
結果がCやDの場合は、検討しなおした方がいい結果です。
つまり、周りの全国平均と離れている状態ですから、
自施設で測定したASTの値が「20」だとしても、他施設で測定したASTが「30」かもしれません。
だからって、治療法に影響があるかはなんともいえませんが、これが振れ幅の狭い電解質だったら、どうでしょう。
カリウム(K)はたった「1」の違いは大きな意味をもってきます。
周りの病院と違う場合はしっかり改善して、今後の業務につなげましょう。
〇 生理機能、フォトサーベイ
こちらも結果を確認して、一喜一憂するだけではなく、
「解説」
も確認しましょう。
実は、ちゃんと解説が記載されている解答もあります。
自分たちの考えが正しかったかどうか、ホームぺージなどで確認をしましょう。
解説をみることは、自施設でも忘れがちです。
忘れた頃に解答がやってくるので。
そのため、自分が実施し回答したサーベイは残しておき、解答解説を見る癖をつけましょう。
― サーベイ=確認試験 -
臨床検査技師において、サーベイは確認試験です。
普段の業務を問題なくこなせていれば、問題なく通過できる試験です。
ですが、緊張したり、事前に多少なりとも準備が必要になります。
サーベイの日程は事前に確認しておきましょう。
そして、サーベイの実施をすることで、業務過多になることは覚悟しなくてはなりません。
あまり無理をしないように、サーベイを実施しましょう。
普段通りで大丈夫。
なんの試験をする人に対しても言える言葉ですね。