新卒「もう、就活したくないです。」私「へぇ、そんなに大変だった?」新卒「枠に対しての応募者が多すぎるんです。」
わたしは、当時中途採用でしたが、未経験のわたしをよく採用してくれたなと、現在の病院には感謝しています。しかし、当時のわたしは、就活にそこまで苦労した記憶は残りませんでした。
ましてや、これから伸び盛りの真っ白な新卒とあらば、引く手数多なのだと思っていました。しかし、現実は違ったようです。
新卒から近年の臨床検査技師の就職難についての苦労を聞いたので、書きます。
就職難の影響は需要と供給量があっていないからです。人件費の削減で需要は減っているが、学校は増えて供給量が増える。
そして、その対策として大切なことは、就職先をよく考える。
ということです。
ー 臨床検査技師の大学 専門学校 増えすぎ問題 ―
臨床検査技師という国家資格を取得するためには、専門学校や大学で単位を取らなければなりません。
一昔前は、ほとんど三年制の専門学校がメインだったようですが、近年では四年制の大学にて臨床検査技師の国家資格が目指せる学校も増えてきました。
そして、ここ近年、各学校が臨床検査技師取得のためのコースを設立することにより、卒業生たちが増え、臨床検査技師として就職を目指すライバルが増えてきてしまったようです。
2010年以降に検査技師のコースが設立された大学などを、関東のみで調べてみたところ、
・群馬大学
・東京医学技術専門学校
・群馬パース大学
・つくば国際大学
・国際医療福祉大学
ざっとこんな感じでありました。関東のみでこれだけあるのであれば、他の地域もいくつか設立されていると考えます。
つまり、学校が増えれば、必然的に臨床検査技師の人口が増えます。
しかも、病院は基本的に人員補充がメインで動きます。そのため、その病院に辞める人が居なければ採用枠は狭くなります。
考えてみると、自分自身の病院にて定年を迎える人が毎年いるわけではないし、今のこの時代、定年以降まで活躍できる方が増えるようになりました。
その年に辞めている人がいない限り、大学病院などでは、2人の枠に20~30人の応募人数が寄せられる状況のようです。
倍率、高い・・・。
臨床検査技師としてすでに働いているベテランの皆様。
最近入社して来た新卒たちは、たくさんの死闘を潜り抜けて入職した強者であることを理解してあげてください。笑
― 臨床検査技師 機械化の波にのまれる 問題 ―
しかも、臨床検査技師の就職先に拍車をかける原因として、近年、機械化が進んだことが挙げられます。
機械でわからないイレギュラーを人の目で確認する必要がありますので、丸投げというわけにはいきませんが、機械化されることで、検査結果に統一性が出ること、人件費の削減というメリットが挙げられます。
病院の運営として、人件費の削減はメリットですが、臨床検査技師として働くわたしたちにとっては「死活問題」といえます。
検体検査は機械による運用がメインとなり、心電図の検査では自動解析が導入されております。
そして、先日、ついに・・・。Twitterで採血するロボットの動画も見ました。
自動採血ロボット「Veebot」。採血の際に看護師ガチャを引かずに済むのは強いpic.twitter.com/rnsQkXJgJx
— 世界の未来予測 (@KininaruMirai) September 9, 2019
しかも、超音波検査に関しても、ロボットの導入が考えられております。
引用:日本経済新聞
あー。やばいやん。
― 就職先をよく考える ―
さて、ここまでくると、臨床検査技師としての希望はないのか。という話になりますが・・・。
就職先の視野を広げること、臨床検査技師としての専門性を高めることが大切であると考えます。
【学校増えすぎ問題に対して】
就職先を大学病院だけに固執しないこということ。就職先は、総合病院、健診センター、検査センターもあります。まずは別の病院で専門性を高めた後に、その武器を持って自分の勤めたい職場に転職するという方法があります。
また、臨床検査技師の資格を生かした別の仕事を選択するという道もあります。わたしは以前、治験コーディネーターとして働いておりました。治験コーディネーターの仕事も悪くなかったです。治験コーディネーター以外にも、臨床検査技師の仕事を生かした就職先があります。
以前書いた記事がありますので、よければ参考にして下さい。
【機械化進みすぎ問題に対して】
AIが導入され、機械化が進むと、単純作業は全て機械がこなす世の中になります。そこで機械化の波にのまれないためには、機械が理解しきれなかったイレギュラーを、AIに教えてあげるための知識を身に付ける。つまり、専門性を高めることにあります。
検体検査だって、イレギュラーが起こった際、人が介入しないと解決できない問題があります。
心電図の結果だって、自動解析が間違っていることも、まだまだあります。
採血ロボットだって、きっと採血しきれない患者に対し、対応できる人が必要になります。採血部位を再検討したり、時には脚から採血したり。
超音波検査はどれくらいまで進むのか想像ができていないので、わかりませんが、必ず人の目での診断が最後は入ると思います。
【将来生きていくための わたしの考え】
今後わたしたちが食いっぱぐれないためには、自分自身の知識を高め専門性を高める方法。諦めて別のジャンルの仕事をすること。
この二択かなー。とわたしは考えています。
知識が追い付くまでは、専門性を高めていきたいですが、んー。機械に負けちゃったら、別ジャンルの仕事でもしようかなー。
機械化されにくい仕事っていうのもあるらしく、芸術、文学関係は機械化しづらいらしいですよ。
まぁ、そんなこと言われても、2019年の紅白、美空ひばりさんのAIが出てきた時は
「あ、わたしの人生、食いっぱぐれるなー。」
って思ったけどね。