「脈がとぶ」
「脈がとんだ感じがする」
その感覚はあっていることが多いです。
そのほかにも、動悸、息切れ、めまい、失神という症状が伴うこともあります。
症状が伴うということは、必ずではありませんが、なにか起きている可能性があります。
上記のような症状は、心臓が全身に血液を十分に送り届けられていない状態の可能性が高いです。
そういった症状を医師に丁寧に症状を伝えることが大切です。
検査は心電図をとります。
脈がとぶ感覚は、心電図の結果は「期外収縮」ということが多いです。
心電図で有名な言葉といえば、
不整脈
という言葉で、その期外収縮も不整脈の一つになります。
ここでは簡単に不整脈の種類についてお話します。
~ 不整脈とは ~
大きく分けて、
心臓の拍動が極端に早いor遅いパターン
心臓の拍動が不規則なパターン
があります。
詳しい不整脈についての説明は
日本不整脈心電学会の「不整脈ってなあに?」から、確認してみてください。
〇 心臓の拍動が早いor遅いパターン
心臓の拍動が早いと心臓が細かく動きます。
心臓は心臓内にため込んだ血液を「ドクンッ」という縮まる運動で体内に血液を送り込みます。
拍動が早すぎると、筋肉が縮まりきる前に心臓の筋肉が広がってしまい血液を十分に全身に送り込むことができません。
これを頻脈といいます。
遅すぎると、全身に血液を送り込むための回数が足らない場合があります。
これを徐脈といいます。
スポーツを定期的にしている方、昔、スポーツをしていた方は徐脈なこともあります。
少ないエネルギーで体中に血液を送れるように心臓が鍛えられています。
〇 心臓の拍動が不規則なパターン
実は、拍動が一定のパターンなど色々ありますが、ざっくり説明します。
・ 期外収縮
突然心臓の刺激が起きる状態です。
期外収縮にもたくさん種類がありますが、
「脈がとぶ」
という感覚が大切になります。
期外収縮が起きている人の割合は少なくはありませんので、よくある疾患です。
しかし、頻回に起こったり、連続で起きる状態はあまりよくありません。
頻回に感じるようであれば、循環器を受診することをおすすめします。
・頻脈性の不整脈(心房細動 発作性上室性頻拍 心室頻拍など)
心臓が痙攣しているような状態です。
心臓が痙攣しているようんな状態のため、
バラバラの脈拍になったり、
頻脈のため、筋肉が縮まりきる前に心臓の筋肉が広がってしまい血液を十分に全身に送り込むことができない状態になります。
動悸
息切れ
めまい
などの症状などがあります。
この症状は、血液が全身に十分に送られていない状態のため、酸素が足りない状態の症状です。
一度、症状を話して、循環器に相談してもいいかもしれません。
特に、症状がある時が理想ですが、
どんな時に症状があるかも医師に話してください。(朝や運動時など)
・洞不全症候群(房室ブロックなど)
心臓の伝達がうまく伝わっていない状態です。
これも脈がとんでいることもありますが、
「ドクンッ」という期外収縮が起きるわけではありませんので、はっきり不整脈を感じる方は少ないかと思います。
中には脈がとぶ感覚を感じる方もいるそうですが。
心臓のブロックというものは、
「心臓、動いてくれー。」と信号を送りますが、
心臓の筋肉がその信号を受け取ったり、無視したりすることです。
無視する回数が多いと、血液が全身に十分に送られない状態になってしまいます。
息切れ
めまい
気を失う
胸が苦しい
といった症状があります。
この症状も、血液が全身に十分に送られていない状態のため、酸素が足りない状態の症状です。
一度、症状を話して、循環器に相談してもいいかもしれません。
〇 追加検査を行う。
不整脈という症状は、その時に異常な心電図が出現するとは限りません。
そのため、医師にしっかり症状伝えることが大切です。
追加検査にはいくつか種類があります。
よくある追加検査は、
・ホルター心電図(24時間心電図をとります。)
・負荷心電図(運動をして、心臓に負荷をかけて心電図をとります。)
・心臓エコー(実際に心臓の動きを動画で確認します。)
・ホルター心電図
24時間心電図を取ることで、寝ている時の状態や朝起きた時、ご飯を食べた時などに心臓がどんな脈拍をしているかを探る検査になります。
身体に心電図の電極を張り付け、小さい機械を張り付け、24時間過ごしてもらいます。
いつも通りの生活を送ることがポイントです。
いつも通りの生活で症状が現れるようでしたら、尚更です。
お酒を呑む人は、飲めばいいと思います。
運動している人は、運動してもいいと思います。
いつも通り過ごして、心電図に異常があるようであれば、治療が必要かどうかが、そこでわかります。
・負荷心電図
心臓に負担をあえてかけることで、心電図の様子を確認する検査です。
マスター心電図やトレッドミルなどがあります。
内容としては、運動をして心臓に負荷をかけます。
運動しながら、心電図を確認したり、
運動の後にすぐ心電図をとったりします。
不整脈の検査で探ることは少ないですが、検査をする可能性はあります。
・心臓のエコー
実際の心臓の形と動きを動画として確認します。
暗めの部屋で、マイクくらいの太さの棒を心臓の近くに当てて検査をします。
肋骨の間を探って検査するため、少しグリグリすることもあります。
実際の心臓の動きをダイレクトに動画で確認します。
しかし、不整脈を探る検査とうよりは、心臓の筋肉の動きを確認する検査になります。
もちろん、この検査も大切な検査のひとつです。
心臓のエコーは心筋梗塞や心臓自体の機能を確認する詳しい検査になります。
~ 症状を医師に伝えることが大切 ~
不整脈には症状が伴うことがあります。
健康診断で気づくこともありますが、症状が伴うほどの心電図は治療が必要な可能性があります。
きちんと自分自身の症状をきっちり医師に伝えることが大切です。
もちろん気のせいということもあるかもしれません。
しかし、一度検査をすることで「安心」という安定剤を手に入れることも大切です。
そこで何もなければいいのですから。
自分自身が言われた心電図の異常の名前を覚えておくといいです。
健康診断の際や、症状があって駆け込んだ新しい病院でその情報が役立ちます。
心電図の異常は不整脈という言葉だけではありませんので。