心電図が趣味になりました。
以前投稿した緊急臨床検査士の試験をきっかけに、わたしの趣味の1つに心電図が加わりました。
緊急臨床検査士の資格取得【緊急検査士の試験内容、過去問とは】
そして、心電図が趣味になったわたしは、心電図検定2級、1級ともに受験することにしました。
― 心電図が楽しいと思えた理由 -
について記事を書こうと思います。
楽しいと思えるきっかけになったのは、以下の3つ
・心を奪われた心電図
これに出会ったこと。
・機械判定と人間判定
これを実感できたこと。
・心電図を読むうえで心がけているポイント
これを自分なりにルーチン化できたこと。
このあたりについてお話します。
〇 心を奪われた心電図
初めて心電図を現場で検査するようになった頃は、単調な作業の一環で、国家試験の知識のみで検査していました。
職場にもよりますが、基本的に来院する患者さんの心電図は国家資格をとるために勉強したような簡単な心電図の人はあまり来院しません。
・洞停止
・心室細動
・心筋梗塞
・完全房室ブロック
他にも緊急性の高い心電図はたくさんあります。しかし、出会わない。
わたしも心室細動の心電図をとったことは一度もありません。
国家試験で勉強したようなわかりやすい心電図ばかりではありません。
臨床の現場でnormal心電図、または緊急性の低い心電図しか対応することが少ないと、学ぶ意欲もなくなり、日々平凡に心電図を取っていきます。
ましてや、機械が判定してくれる世の中。
「機械判定でよくね?」
そう心のどこかで思いながら心電図をとる日々でした。
心電図が得意な先輩に「波形の筆記試験があるんです。どんな風に勉強しようかなって思って。」
と相談しました。
「じゃあ、いくつかの波形抜粋してあげる。」
最初は機械判定を削除された波形、本から拾ってきた波形を教わっていました。
最初はわからない波形もありましたが、だんだんなんとなく読めるようになってきました。しかし、試験のための勉強。とにかく
「つまらん。」
機械判定にて表記される心電図。どうせ、機械が見てくれる。
惹かれるものはありませんでした。
ある日、機械判定にて「心室期外収縮」と書かれた心電図を渡されました。
「あ、先輩、消し忘れたな。」
そう思って、「PVC(心室期外収縮)ですね。」そう答えました。
「よく見て。T波の上。」
最高の出会いでした。笑
この時知った
「aberration PAC(変行伝導を伴う心房期外収縮)」
国家試験の時には一度も出会うことのなかった不整脈でした。
〇 機械判定と人間判定
「わたしは機械判定は見ない。」
心電図の得意な先輩はそう言っていましたが、全員がそうする必要はないと思いますし、参考に使うことで、自分の確認漏れを防ぐきっかけにもなると思います。
しかし、頼りすぎてはよくないということを理解しました。
そこから、機械判定では読み切れない心電図に出会うことが楽しくなりました。
臨床検査技師として機械判定に勝てた自分の能力
これを実感できることが増えた時に「どうだ。人間様は。」と存在意義を感じるようになりました。
もちろん、普段の業務の中では、 aberration PACだろうと、PVCだろうと、緊急報告でもなんでもないし、患者さんに大きな支障はありません。
しかし、こんなシーンもありました。
機械判定:「同房ブロック」
人間判定:「Blocked PAC」
どうですか?
機械判定のままなら、緊急報告対象になります。
「洞結節が止まること」と「期外収縮の不応期で刺激が来ない」のは大きく意味が異なります。
もちろん緊急報告を逃すことは良くないことは理解できますが、なんでも緊急報告することも、その後の検査項目の追加や、病院への紹介など
患者さんへの負担も多くなります。
〇 心電図を読むうえで心がけていること
心電図は「R波」が目立ちがちですが、わたしが心電図を楽しいと思ってから心電図を読むポイントとしているのは、
- P波
- P波からR波がどうやって繋がっているか(sinus)かどうか
- それぞれの波の形
です。
ここの3点に注意して見ています。
心電図はだいたい10秒~20秒でとります。
それを毎日100人以上実施している人も、病院によっては居るわけですから、効率よく心電図を見ていきたいですよね。
学生の頃や新人の頃は「R波」ばかりが目立っていましたが、「P波」をよくみるようになって、心電図が非常に読みやすくなりました。
一番見やすいP波はⅡ誘導です。
しかし、人によて見づらいこともあります。
そういう時は恥ずかしがり屋さん、P波を探してあげましょう。
P波が見えてきたら、「R波との連結を確認っ!」です。
全くつながっていなければ「心房、心室バラバラかな?(完全房室ブロック)」
時々切れるなら「心房と心室、ときどきつながってないな。(Ⅱ度房室ブロック)」
P波がでていなければ「洞結節の異常かな?(同房ブロック)」
その後は波形の形もみましょう。
P波の頭がとがっていれば、「心房に負担ありかな?」
P波がひっくり返ってれば「心房の刺激の場所が違うのかな?」
R波高いな。「心室に負担かかってるかな。」
R波広ければ「心室を刺激するときに遠回りしてるんだな。」
ST上昇「あー、虚血かな?」
ST下降「んー。鏡面現象ないかしら。心筋厚いかな。」
確認することはそんなところです。
― 心電図をよむことを許されたわたしたち -
これを10秒~20秒で判断するわけですから、わたしたちって結構頑張って仕事してるんですよ。
しかも飽きずに毎日100人以上取る人もいます。
臨床検査技師の皆さん。ぜひ、改めて自分の仕事に誇りを持ってお仕事してくださいね。
「どやー。」
臨床検査技師を目指している皆さん。
きっと、こういうことの判断ができるようになったら、楽しくなります。今はお勉強頑張って、将来やりたい分野、得意な分野探してみてください。
これを読んで心電図に興味持ってくれたらうれしいです。
そんなお仕事をする資格を得るんです。
国家試験受かったら、どや顔してくださいね。
「どやー。」
そんなどや顔できるようになったわたしは、心電図無知な状態から、心電図検定2級、心電図検定1級を無事合格することができました。
さて、ネットの心電図でも漁りに行きますか。